- 食べかすが溜まりやすく、むし歯や歯周病になりやすいため、歯の寿命が短くなることがあります。
- 食べものがよく咬めないと、あごの関節や胃腸などの消化器官への負担が大きくなることがあります。
- 見た目の悪さや正しい発音ができないと、心理的に劣等感を感じて精神的な負担になることがあります。
きれいに整った口元は健康的な笑顔を引き立てます。
笑顔の恩恵がもたらすものは、皆さんの人生において計り知れないものになるでしょう。
遺伝的因子や環境的因子(むし歯、習癖)によって起こるかみ合わせの異常をできるだけ早い時期に診査することをお勧めします。異常な成長発育によって問題が深刻になる前に治療を受けることが肝心です。早期に問題を発見し、成長発育を利用した治療や正常な成長方向へ軌道修正することで、永久歯の抜歯やあごの手術を回避できることも多いのです。
- 子供の矯正治療(5歳頃〜)
- 子供の矯正治療は、第1期治療と第2期治療の2段階にわけて行います。第1期治療はおもに小学生のあいだに継続して行います。上あごと下あごの位置異常や大きさの改善、永久歯が生えるためのスペース不足などを改善します。第2期治療は通常中学生以降に行います。歯1本ずつに矯正装置(マルチブラケット装置)をつけて、きれいで緊密な歯ならびに排列します。
- 大人の矯正治療(12歳頃〜成人)
- 成人の矯正治療は、きれいで緊密な歯ならびと口元を整えるために治療を行います。最近では社会人の方はもちろん、さらに年齢を重ねられた方で矯正治療を始められる方も増えています。矯正治療に年齢制限はありませんが、歯や歯ぐきの状態に問題がある場合は、それらを治療してから矯正治療を開始します。
- 顎変形症の矯正治療(外科的矯正治療)
- 歯ならびの土台となる上あごや下あごの大きさや位置が著しくずれていて、外科手術を併用しないと治療できない不正咬合があります。このような不正咬合を「顎変形症」といいます。顎変形症の治療は国の定める指定自立支援医療機関(育成・更生医療)のうちの顎口腔機能診断施設において、健康保険で治療を行うことができます。治療後はかみ合わせだけでなく、顔貌の改善も改善されます。
- 先天異常の疾患の矯正治療
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唇顎口蓋裂などの先天性疾患では、先天的に上あごの骨が部分的に欠損していたり、口唇が裂けたようになっていたりすることが多く、発音やかみ合わせの障害を起こしてしまいます。このような唇顎口蓋裂などの先天性疾患の矯正治療は指定自立支援医療機関において保険適用となります。
厚生労働大臣が定める先天異常の疾患
- 唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)
- ゴールデンハー(Goldenhar)症候群(鰓弓異常症を含む)
- 鎖骨・頭蓋骨異形成
- トリチャーコリンズ(Treacher-Collins)症候群
- ピエールロバン(PierreRobin)症候群
- ダウン(Down)症候群
- ラッセルシルバー(Russell-Silver)症候群
- ターナー(Turner)症候群
- ベックウィズ・ヴィードマン(Beckwith-Wiedemann)症候群
- ロンベルグ(Romberg)症候群
- 先天性ミオパチー
- 顔面半側肥大症
- エリス・ヴァン・クレベルド(Ellis-vanCreveld)症候群
- 軟骨形成不全症
- 外胚葉異形成症
- 神経線維腫症
- 基底細胞母斑症候群
- ヌーナン(Noonan)症候群
- マルファン(Marfan)症候群
- プラダーウィリー(Prader-Willi)症候群
- 顔面裂
- 大理石骨病
- 色素失調症
- 口ー顔ー指症候群
- メービウス症候群
- カブキ症候群
- クリッペル・トレノーネイ・ウェーバー症候群
- ウィリアムズ症候群
- ビンダー症候群
- スティックラー症候群
- 小舌症
- 頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群、尖頭合指症を含む)
- 骨形成不全症
- 口笛顔貌症候群
- ルビンスタイン-ティビ症候群
- 常染色体欠失症候群
- ラーセン症候群
- 濃化異骨症
- 6歯以上の非症候性部分性無歯症
- チャージ症候群
- マーシャル症候群
- 成長ホルモン分泌不全性低身長症
- ポリエックス症候群
- リング18症候群
- リンパ管腫
- 全前脳(胞)症
- クラインフェルター症候群
- 偽性低アルドステロン症(ゴードン症候群)
- ソトス症候群
- グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)